空想こけし博物館(1)

"un Musee Imaginaire Kokeshi"


土湯古こけし:修復の前後

DIAGHILE

左:未修復、右:デジタル修復

どのように復元したかを簡単に紹介すると、面描を残して汚れの部分を取り、木地の色を重ねた。さらに面描の薄くなったところを修復した。ここまでは私の意匠は全く介在しない。さて、手絡と胴模様は如何ともしがたい。全く残っていないからである。そこで浅之助の手絡と胴模様を切り取ってきて貼り付けた。赤は良いとして緑か紫か分からないのでどちらともとれるように退色した色合いにした。浅之助から来ているので、紫あるいは緑の部分が胴下部の方だけとなったが、辨之助ならもっと胴上部から赤と紫あるいは緑との交互の胴模様にだったかも知れない。おそらく保存の良いときのこのこけしは、ここでデジタル修復したものとそう遠くない印象の物だったと信じる。

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