"un Musee Imaginaire Kokeshi"
幻の運七こけし:修復の前後
左:未修復、右:デジタル修復
今回の運七は「こけし研究ノート」に載った白黒のオリジナルが薄く不鮮明で、しかも約七センチ(こけし部分)と小さいので復元が非常に難しかった。拡大すると印刷の網目が出てしまうし、シャープ補正をかけるとまた網目ばかり強調されて画質が著しく落ちるといった具合である。取りあえず面描の部分はもとの線を出来るだけ忠実におこすようにした。胴は白胴なので木地の色だけ復元、菊模様はかすかに残る陰影と、現存する他の運七の重ね菊模様を参考にして復元してみた。こうして彩色が戻ってみると、まさしく古式の素晴らしいこけしである。失われてしまったという事はかえすがえすも残念でならない。これを機会にして、どこからかひょっこり現れてこないだろうか。
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