フォト・ギャラリー

産地風影


昭和四十年代後半、高度成長の波が東北の産地に及ぶまで、こけしのふるさとには多分に古い日本の懐かしい風影が残っていました。そうした産地で、工人の方々と酒を酌み交わし、話をするということは限りない楽しみでもありました。
昔のアルバムや手持ちの古い絵葉書などのなかから、そうした雰囲気を残しているものを紹介しながら、工人の面影、作られたこけしを併せて眺めて行きたいと思います。

地図上の産地名をクリックしてください。

戦前は橘文策の著作に多くこけし工人の写真が載った。戦後に出た鹿間時夫著「こけし・人・風土」の魅力の一つもふんだんに挿入された工人の写真だった。水谷泰永の撮影したものがが多く使われていた。初期の「こけし手帖」さらに「山形のこけし」でも工人の面影をよく伝える写真が集められていた。こけしの魅力は、こけしそのものにもあるが、その工人の人柄や生き様に負うところも大きい。その意味で工人の面影が偲ばれる出版は楽しい。
山田猷人氏は東京美校出で建築事務所に入り、内装設計などをやった人であるが、戦前から産地を広く歩き、産地や工人の写真を多く写した。木人子閑話(10)附の庄司永吉も山田氏の撮影になる。いつか氏の工人写真を一通り焼き増しさせていただいて使いたいと思っていたが、氏の死後全て焼却されてしまったと聞き、力が抜ける思いをした。
このフォト・ギャラリーはこけしが生まれてきた産地の風影とその工人の姿を出来るだけ残したいという気持ちから企画した。
十系統の画像も見る頃が出来ます。 十系統


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