肘折の工人(2)
ストーブの前の横山政五郎(昭和四十一年)。なくなる前年の写真。 風格のある工人だった。
左写真二本は菊本蔵品、特に右のものは戦前の古い作品で、胴底鋸切り離し、その下端にまで接するロクロ模様はこのこけし以外に見たことはない。 左端は保存良く古式の作風を実によく残している。蒐集家としては持って見たいこけしである。 右写真は戦後昭和二十四年の作。戦前と見劣りしない緊張感に富む作風。