弥治郎風影
自宅の囲炉裏端にくつろぐ新山久治(昭和四十年三月)
久治は新山久治郎の長男、父久治郎から木地挽きを学んでこけしを作った。 母「さと」もこけしの描彩をした。久治が鑑定した「さと」描彩という一本が残っている。 家督長男として一生をほとんど弥治郎からはなれず安定した生活を送った。 生涯足踏み轆轤を使って木地を挽いた。 こけしの作風も、「這子の話」で紹介されて以後、大きく変化はしていない。 昭和四十四年四月十一日、弥治郎にて没、行年八十二歳。
新山久治作(昭和六年八月)